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postheadericon 第8回教養講座報告

板倉慶隆氏プロフィール

「いやぁ、鉄道の話って本当にいいものですね。」
いくつになっても興奮します。何を聞いても興味の尽きることがありません。
教養講座も、今回で、8回目を迎えましたが、今回は、会員の板倉慶隆さんに「ふしぎ発見!たのしい鉄道のお話し」と題して、たっぷり2時間余、鉄道のお話しをお伺いしました。パワーポイントで珍しい貴重な写真をふんだんに使っての楽しい講演でした。

鉄道となると硬い話のようですが、毎日見ている身近な電車は、わずか1.067m幅のレールの上を開業以来の明治時代から走り続けています。それも、軽い電車(40トン)から超重量の1両500トンもある貨車まで同じレールです。1.067mは乗用車のタイヤの幅より狭いのです。 目まぐるしく変化するコンピュータの時代では、考えられないようなライフサイクルの長い製品ですが、N700系の最新の新幹線等は座席予約システム、自動運転システム、最新の製品加工システム等コンピュータなしでは成り立ちません。以下、7つの題目でのお話の中から、抜粋です。

SFSNET参加者

まずは

1.「鉄の上の業師」です。
鉄道には、鉄はきっても切り離せないものですが、鉄の線路の上に鉄の車輪はとても滑りやすいものです。転がりやすいのはメリットですが、滑りやすいのはデメリットです。坂道に弱く、ましてスタートはとても大変です。クルマは13/100(13%)の勾配でも上がっていきますが、鉄道は箱根登山鉄道では80/1000の勾配が精一杯です。「摩擦抵抗」と「ころがり抵抗」とうまく折り合いをつけています。

 

2.「鉄道車両の移り変わり」
明治5年(1872年)に新橋~横浜間に、鉄道が日本に初めて作られました。その後20年たって早くも蒸気機関車(SL)は国産されました。SLの素晴らしいのは、今や機械ものでは当たり前になっているモーターや歯車が一切使われていないところです。ピストンの往復運動を車輪の回転運動に変えています。今では考えられないことです。その後、ディーゼル機関車(DL)、ディーゼルカー(DE)から、現在主流の電気機関車(EL)と電車(EC)へと、136年の間に、大きく変身してきました。
鉄道車両は、国鉄時代には、鉄道車両メーカー各社が分担して設計し国鉄本社が一つにまとめた後、各社で同一モデルを製造したということです。JRの時代になって、各鉄道車両メーカーが競い合って、それぞれのモデルを売り込んでいるそうです。民営化による大きな変化でしょうか。従来は50年近く使う前提で作られていた車両も、京浜東北線を現在走っている「209系」のように、「重量を1/2、価格も1/2、寿命は1/2でいい。」というオーダーがJRから出て、各社が競いあう時代になりました。結果、おまけに、消費電力も1/2になったそうです。

 

鉄の上の業師 鉄道車両の移り変わり 自動車と鉄道車両の比較/車両限界

 

3.「自動車と鉄道車両の比較」をとおして「車両限界」について
クルマは車幅も高さも長さも自由に作られますが、鉄道車両は、いろいろな制約の中で作られています。まずは、レール幅(ゲージ)です。JRの在来線は明治5年以来、1067mmです。この1メートルほどの車輪の幅の上に車体が載っているのですが、高さはトンネルや架線の高さにより、また、車体の幅は駅のプラットホームなどによりミリ単位で規制されています。そうした制約の中で鉄道車両は進歩してきました。

 

4.「安全」について
あの福知山線のカーブでの脱線事故。これは「ATC」が搭載されていなかったために大事故になりました。「ATS」は信号機の情報を車両に伝達して運転手にブレーキをかけることを指示します。万一の時には自動的に電車を止めます。この「ATS」は、小田急の藤沢駅でも見ることができます。線路の中央に弁当箱の大きいものが置かれています。
これに対して「STC」は信号機の情報とは別に、走行中の条件から自動的に減速させるなどの制動装置が働きます。運転手が居眠りをしていても、これなら急カーブではブレーキがかかります。

 

安全について 旅の立ち寄り 環境と鉄道

 

5.「旅の立ち寄り」
板倉さんが訪ねた駅の中で、なかなか立ち寄れない駅を三つ紹介してもらいました。
兵庫県の餘部(あまるべ)駅
福岡県の門司港駅
熊本県の大畑(おこば)駅
です。
餘部駅は山陰本線にありますが、この駅は、余部鉄橋に隣接し、鉄橋を通過する鉄道車両を撮影する鉄道マニアで賑わいます。余部鉄橋は、高さ41mあり、明治45年に開通しました。当時鉄橋の鋼材はすべてアメリカから輸入されたということです。また、昭和61年には、強風のため脱線、地上に車両が転落し、車掌と、下にあった水産加工工場にいた従業員5名が死亡するという事故がありました。来年には鉄筋の新しい橋梁が完成し、その後は取壊されるので、鉄道マニアだけでなく観光バスが押し寄せるほどの観光スポットになっています。
門司港駅は、九州の鉄道の玄関口。駅舎は木造で国の重要文化財になっています。本州の山陽本線は直流を使っていますが、鹿児島本線は交流のため、下関と門司の関門トンネル間では、交直両用電気機関車が使われます。門司駅では、そのため、電気機関車の付け替えが行われています。
大畑(おこば)駅は肥薩線にあります。標高294m,大畑ループ線の中にある,スイッチバックの駅です。大畑駅とスイッチバックは,非力な蒸気機関車のために設けられたそうです。
ループ線の中にスイッチバックのある駅は,大畑駅が全国唯一で,多くの鉄道ファンが駅に訪れ,駅舎の待合い室内には訪れた人たちの名刺が貼られています。ループ線とスイッチバック、それに日本三大車窓のひとつでもある壮大な風景が多くの鉄道マニアを呼び寄せるようです。

 

6.「環境と鉄道」です。
車両の軽量化と、発生エネルギーの回収が進んで省エネ対策は大きく進みました。先の京浜東北線の「209系」車両もそうですが、「VVVF」という技術を使い誘導電動機を電車で使える画期的な進歩をしています。

クイズ ためしてガッテン

7.「クイズ ためしてガッテン」です
クイズは7つほどありましたが、ここでは二つ。
JRの「桃太郎」って?
EF210型の直流電気機関車です。機関車に桃太郎」のワッペンが貼ってあります。東海道線でコンテナを引っ張って走っていますから、駅を通過したら、見つけてください。
電車に書かれている「サロ」という記号は?
「サ」はモーターのつかない車両+「ロ」はグリーン車で、グリーン車についている記号です。
このほか、「ク」は運転台のついた車両、「モ」はモーターのついた車両、「ハ」は普通車、「ネ」は寝台車、「コ」はコンテナ車、などなど。

以上ですが、この他にも、写真と供に楽しいお話が一杯。これで又、駅に行くのが一層楽しくなります。19名の会員と一緒に楽しませていただきました。
板倉さん、ありがとうございました。

(文責;斎藤登記男)